こんにちはー!Romaです。
今回も、知っておくべきブルゴーニュの生産者を村ごとにご紹介させて頂きます。
第5回目は、ヴォーヌ・ロマネ村です🍷
コートドニュイ地区ではラスボス的存在じゃな!笑
前回までの記事↓
実際にワイン好きの方やソムリエ仲間との
会話に頻繁に出る生産者をご紹介します!
この記事は、ワインの勉強を始めたばかりの方に向けて書いております。
ブルゴーニュラヴァーの方には物足りない内容かと思いますが、温かい目でご覧頂けたら幸いです^^
また、出来るだけ分かりやすくお伝えしたいと言う意図からカタカナを多く使用します。
カタカナで書く事により、どうしても文字数が増えてしまうため、以下の略語を使用させて頂きますので予めご確認下さい。
・ヴォーヌ・ロマネ → V.R
・ニュイ・サン・ジョルジュ → N.S.G
・シャンボール・ミュジニー → C.M
・グラン・クリュ(特級畑) → G.C
・プルミエクリュ(1級畑) → P.C
まずは、村の特徴から簡単にご説明させて頂きます!
それでは行ってみましょう!!
コートドニュイ地区の南部に位置する約400名ほどの小さな村。
「神に愛された村」「ネックレスの中央の真珠」等と称され、18世期の作家クールテぺ曰く「この村に普通のワインなどない」と言われるほど、洗練されたワインを産出する産地です。
V.R村にある数々の名嬢畑。その筆頭格が、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ(通称D.R.C)が所有する、ロマネ・コンティでしょう!
ワイン法的には、北側に隣接するお隣のフラジェ・エシェゾー村と一纏めにされ、フラジェ・エシェゾー村で作られたワインもヴォーヌ・ロマネを名乗る事が出来ます。
村名を名乗れるワインはコートドニュイ地区最大の所有面積であるG.シャン村の半分程度の生産量。
ブルゴーニュのワイン全体で言える事ですが、特にV.Rのワインは需要が多く生産量が少ない事から、年を追うごとに価格が上昇傾向にあります。
歴史を辿ると中世890年頃。
当時はヴォーヌ・ロマネ村とフラジェ・エシェゾー村は別々のワインとして造られており、ヴォーヌ・ロマネはクリュニ派のサンヴィヴァン修道院が一帯を所有していました。
一方フラジェ・エシェゾー村はシトー派の支配下にあったため、V.Rではなく、お隣のヴージョ村で醸造されていました。
当時シトー派は、ヴージョ村のクロ・ド・ヴージョG..C周辺を
支配下としていました。
時は経ち15世紀、ルイ11世によってブルゴーニュがフランスに統合された後、1512年にサンヴィヴァン修道院が自己保有地の面積と境界を明確にする為に線引きを行った事で、畑の区画がはっきりと決まります。
1760年、ブルボン朝のルイ・フランソワ1世、通称コンティ公によって購入された畑がロマネ・コンティを名乗りようになったあたりから、V.Rのワインは評判を呼ぶようになりました。
◎ヴォーヌ・ロマネの特級畑(G.C)
1)ロマネ・コンティ
2)ラ・グランドリュ
3)リシュブール
4)ラ・ロマネ
5)ロマネ・サンヴィヴァン
6)ラ・ターシュ
7)エシェゾー
8)グラン・エシェゾー
※1、6はD.R.Cの単独所有畑
※2はフランソワ・ラマルシュの単独所有畑
※4はコント・リジェ・ベレールの単独所有畑
※7、8はフラジェ・エシェゾー村の畑
プルミエクリュは14個存在しますが、まずはラターシュと隣接するスーパーP.Cのオーマルコンソールと、伝説のアンリ・ジャイエが世に送り出したクロ・パラントゥーの2つを抑えましょう!
さて、ここからは本題に入り、覚えておくべきV.Rの生産者を紹介させて頂きます。
今回ご紹介する生産者以外にも良い造り手の方は沢山おられますが、今回の記事はブルゴーニュ入門編として書かせて頂きます。
ワインを覚えたての方にとっては多くの生産者を並べると混乱の元となり、結局どの造り手が大事なのかが分からなくなってしまいます。
私自身も初めは色々な本を読んで覚えようとしましたが、かなり苦戦をした経験があります。
そのような理由から今回は2人の生産者に絞ってご紹介をさせて頂きますので、ワイン生産者を覚える第一歩としてこの記事がお役に立てれば幸いです。
それでは参りましょう!
一人目の生産者は、伝説の継承者、ドメーヌ・エマニュエル・ルジェです。
この生産者の歴史を語るには、ブルゴーニュの神様と讃えられた伝説の作り手、アンリ・ジャイエの説明は避けて通れません。
アンリ・ジャイエについてはまた別の機会での紹介を
考えていますので、ここでは簡単にだけ触れたいと思います。
第二次世界大戦中、当時20代前半だったアンリ・ジャイエは、ブルゴーニュワインに関して様々な統制を取ろうと奮闘していた引率者、エティエンヌ・カミュゼから家の畑の世話をしてくれないかと頼まれます。
これをきっかけに、自身でも畑を拓く(ひらく)ようになり、最終的に伝説的な栽培醸造家の地位を築きます。
アンリ・ジャイエの奥様、マルセルの甥に当たるエマニュエル・ルジェは、アンリから手伝いを頼まれ、1976年から畑仕事を行うようになります。
1985年にはエマニュエル自身のラベルを冠したワインをリリースし、その後はアンリ ・ジャイエが所有している畑を徐々に継承して行きました。
ジャイエは2001年に手掛けたクロパラントゥーを最後に、
2002年からは全てルジェのラベルでリリースされておるようじゃ!
・ヴォーヌロマネの所有畑
1)エシェゾー(赤)
2)ボーモン(赤)
3)クロ・パラントゥー(赤)
※赤字が特級畑 ※青字が1級畑
※村名以上の広域を除く
なかでも戦争で荒れ果てていた土地をアンリ自身が開墾したクロパラントゥーP.Cと、アンリを含む3兄弟から受け継いだエシェゾーG.Cが看板です。
ワイン造りはアンリジャイエの教えを踏襲(とうしゅう)しており、枝を除いて完熟した果実のみを使用し、ほとんどのワインで新しいオーク樽を100%で使用します。
2017年ヴィンテージからはエマニュエルの息子ニコラも正式にワイン造りに参入しており、次の世代交代への時期も近いかも知れません。
2人目の生産者はこの方、ドメーヌ・メオ・カミュゼです。
最初のエマニュエル・ルジェのところでも登場した、エティエンヌ・カミュゼから物語は始まります。
政治家でもあったエティエンヌは、20世紀初頭、V.R周辺の重要な畑とお隣ヴージョ村にあるクロドヴージョ城を購入し、アンリ・ジャイエに畑の耕作を依頼してワイン造りを行っていました。
これは折半耕作と言ってブルゴーニュでは良くあるのですが、畑の所有者が
栽培家に葡萄造り(時には醸造まで)を依頼し、その対価として出来た
ワインの半分を栽培家に支払うと言う文化があります。
折半耕作はブルゴーニュワインをややこしくしている要因の1つで、
ラベルが違うが中身は同じワインも存在するのじゃ!
その後、エティエンヌの畑は娘のマリア・ノワロが相続しますが、マリアは子供がいないまま無くなってしまった為、従兄弟にあたるジャン・メオに引き継がれます。
ジャン・メオは高級官僚を輩出してきた名門大学を卒業し、シャルルドゴール大統領の側近として仕え、1980年代初頭には欧州議会の代議員を務めていました。
そんなジャン・メオはワイン造りには興味が無かったのか、畑は全て分益耕作人に任せ、出来たワインも全てバルク(樽)のままワイン商に販売され、違うラベルが貼られて販売されていました。
メオ・カミュゼとして本格的にアクセルが踏まれるのは、次の世代、ジャンの息子のジャン・ニコラ・メオが葡萄栽培を初めてからの事です。
初代エティエンヌの時代には未経験スタートだった分益耕作人のアンリ・ジャイエは、ジャン・ニコラが1983年にドメーヌ元詰でワインを造る頃には偉大な生産者の1人となっていました。
そして、分益耕作契約が終了した後も1992年までは顧問としてワイン造りの助言をし続けました。
そのおかげもあり、メオ・カミュゼもまた、偉大なアンリ・ジャイエの影響を大きく受けた生産者の一人として世に知れ渡ったのです。
・ヴォーヌロマネの所有畑
1)エシェゾー(赤)
2)リシュブール(赤)
3)クロ・パラントゥー(赤)
4)オー・ブリュレ(赤)
5)レ・ショーメ(赤)
・ヴォーヌロマネ以外の所有畑
6)クロ・ド・ヴージョ(赤)
7)コルトン・クロ・ロニエ(赤)
8)コルトン・ペリエール(赤)
9)コルトン・ラヴィーニ・オー・サン(赤)
10)オー・ブード(赤)
11)オー・ミュルジュ(赤)
※赤字が特級畑 ※青字が1級畑
※村名以上の広域を除く
※6はヴージョ村
※8はアロースコルトン村
※7、9はラドワセリニ村
※10、11はニュイサンジョルジュ村
アンリ・ジャイエからの影響で枝は100%取り除くのがセオリーですが、2009年ヴィンテージからは銘柄によっては10〜15%枝を残して醸造されます。
樽材の選択と使い方が上手な事でも有名で、伝統のままでは止まらず着実に次の時代へと足を進めている生産者の1人です。
◎ヴォーヌ・ロマネ村の知っておくべき生産者
1)ドメーヌ・エマニュエル・ルジェ
2)ドメーヌ・メオ・カミュゼ
◎ヴォーヌ・ロマネ村の特徴
・世界一有名なロマネ・コンティが造られる村
・ドメーヌ元詰率が一番多い
・薔薇や香水のような官能的でエレガントな香りと味わい
如何でしたでしょうか?
今回は、知っておくべき生産者ヴォーヌロマネ編についてご紹介をさせて頂きました。
さすがコートドニュイで1番の銘醸地。
正直まだまだ紹介したい造り手は沢山いて選別にはかなり悩みました。
今回の2名はご紹介の通り、伝説の造り手アンリジャイエに縁のある生産者ですが、他にもジャイエ並の神ドメーヌは存在します。
例えばドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティがそれにあたりますが、これはまた別の機会にまとめてご紹介をさせて頂きたいと思います!
最後になりますが、今回も記事を書くにあたり、参考にさせて頂いた書籍は以下の通りです^^
ありがとうございましたm(_ _)m
◎参考書籍
今日もどこかでサルーテ🍷
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