こんにちはー!Romaです。
前回に引き続き今回も、知っておくべきブルゴーニュの生産者を村ごとにご紹介させて頂きます。
第2回目は、ジュブレ・シャンベルタン村です🍷
前回の記事↓
実際にワイン好きの方やソムリエ仲間との
会話に頻繁に出る生産者をご紹介します!
今回の記事は、ワインの勉強を始めたばかりの方に向けて書いております。
ただでさえ複雑でややこしいワインの世界ですので、数が多すぎると覚えにくいという考えから、私が思う優良生産者の2名のみをご紹介します。
ブルゴーニュラヴァーの方には物足りない内容かと思いますが、温かい目でご覧頂けたら幸いです^^
また、出来るだけ分かりやすくお伝えしたいと言う意図からカタカナを多く使用します。
カタカナで書く事により、どうしても文字数が増えてしまうため、以下の略語を使用させて頂きますので予めご確認下さい。
・ジュブレ・シャンベルタン → G.シャン
・グラン・クリュ(特級畑) → G.C
・プルミエクリュ(1級畑) → P.C
・ドメーヌ(造り手の意味) → D.
まずは、村の特徴から簡単にご説明させて頂きます!
それでは行ってみましょう!!
ブルゴーニュは、南北300キロを縦断する細長いワイン産地で6つの地区に分類されています。
その中でも、特に銘醸地として名高い2つの産地、コート・ド・ニュイ地区とコート・ド・ボーヌ地区を合わせて、「黄金の丘(コート・ドール)」と呼ばれています。
そのコート・ドールの中で一番北に位置し、最大のグランクリュの数を誇る村、それがジュヴレ・シャンベルタン村です!
ワインに全く興味がない方でも、かつてナポレオンが愛したとされるワイン
「シャンベルタン」の名をご存知の方も多いかと思います。
G.シャン村は、ブルゴーニュの数ある村の中でも一番古い歴史を持っています。
歴史的書物に登場するのは6世紀頃ですが、なんと、紀元前1世紀には葡萄畑が存在したと言うことが近年発見されてニュースになっていました。
日本では卑弥呼が生まれるまだまだ前の弥生時代中期。
やはりヨーロッパは歴史の深いの〜!
元々はジュブレ・アン・モンターニュ村という村でしたが、当時から著名だった銘醸畑「シャンベルタン」から名前を取り、1847年にジュヴレ・シャンベルタン村として誕生しました。
G・シャン村を含むコートドニュイ地区の葡萄畑は、南北へ伸びる国道D974号線の西側の傾斜部に重要な畑が集中しています。
その理由として、雨の後の水はけの良さや土壌の質、日当たりの良さなどが挙げられます。
逆に、国道 D974号線を跨ぐ東側は、平地で水はけが悪く、軽めな味わいとなりやすい事から、作られたワインは村の名前を名乗ることができず「ACブルゴーニュのワイン」となり、通常はどこの村で収穫されたのかをラベルに表記出来ません。
しかし、G.シャン村は、西側の傾斜の粘土質石灰土壌(葡萄作りに向いている土壌)が東側まで流れこんだと言う理由から、コートドニュイ地区で唯一、国道974号線を跨ぎ広い範囲で村名のワインとして世に出す事が出来ます。
G.シャン村の村名ワインは、じつに39%が国道より東で生産されているそうで、そのため、一概にG・シャン村のワインと言っても、作られている範囲が広すぎるので味わいにかなりのばらつきが生まれています。
やはり、ブルゴーニュワインで最も重要な事は良い生産者を見極める事。
このポイントを掴めば、G.シャン村の村名ワインも美味しいものに出会える確率がグッと上がります。
歴史と名声ともに偉大なこの村で、一番本領を発揮されるワイン。
それは、やはりグランクリュ(特級畑)とプルミエクリュ(1級畑)から生み出されるワインです。
◎ジュヴレ・シャンベルタン村のG.C(特級畑)
①シャンベルタン
②シャンベルタン・クロドベーズ
③マジ・シャンベルタン
④シャルム・シャンベルタン
⑤マゾワイエール・シャンベルタン
⑥ラトリシエール・シャンベルタン
⑦グリオット・シャンベルタン
⑧リュショット・シャンベルタン
⑨シャペル・シャンベルタン
※②は①の名前でもリリースが出来る。
※⑤は④の名前でもリリースが出来る。
この中でも最も重要なG.Cは2つ。シャンベルタンとシャンベルタン ・クロドベーズです。
その強靭な味わいから、シャンベルタンは「鉄の鎧の中の鉄の拳」、
クロドベーズは「ベルベットの中の鉄の拳」と言われておるぞ〜
G.Cの面積が、特に傾斜面の下部で広すぎると言うのは今でも議論のネタになっているそうで、特にマゾワイエールやシャペルは、ヴィンテージによってはP.Cに劣るとも言われています。
しかし、繰り返しになりますが、やはり重要なのは生産者。
良い造り手であれば、どんな畑にでも魔法をかけてワインを造る事が可能です!笑
P.Cは26個ありますが、G.Cにも勝る味わいと称される、クロサンジャックのみを知っておけば大丈夫です。
クロサンジャックはグランクリュが密集する地帯から少し離れた場所で造られていますが、標高がシャンベルタンとほぼ同じだと言う事、畑が南東を向いていて非常に日当たりの良いと言う事からこのような評価をされています。
◎G.シャン村のワインの味わいの特徴
特にプルミエクリュ以上になると、肉付きが良く体格がどっしりとした味わいになり、色調も濃くて長期熟成をするのに適したワインとなります。
また、ローストした木樽の香りとの相性もとても良いとされ、木樽熟成の後、適切に熟成されたシャンベルタンは、複雑な香りと味わいを持つ、王の風格漂う偉大なワインへと変貌を遂げます。
さて、長くなりましたが、村の説明は以上となります。
ここからは、覚えておくべきG.シャン村の生産者を紹介させて頂きます。
今回ご紹介する生産者以外にも良い造り手の方は沢山おられますが、今回の記事はブルゴーニュ入門編として書かせて頂きます。
ワインを覚えたての方にとっては多くの生産者を並べると混乱の元となり、結局どの造り手が大事なのかが分からなくなってしまいます。
私自身も初めは色々な本を読んで覚えようとしましたが、かなり苦戦をした経験があります。
そのような理由から今回は2人の生産者に絞ってご紹介をさせて頂きますので、ワイン生産者を覚える第一歩としてこの記事がお役に立てれば幸いです。
では参りましょう!
多くのワインラヴァーにとって、シャンベルタンと言えばこの方でしょう。
ブルゴーニュで最も偉大な生産者の1人、ドメーヌ・アルマン・ルソーです。
ラベルにも威厳を感じるのー!
1920年代、葡萄の栽培者が自分らの手で醸造や瓶詰めを行う事が珍しかった時代なのですが、アルマンルソー(人名)は当時から全工程を自ら行っており、元詰めを推奨する運動も起こしていました。
当時はネゴシアンによる不正のブレンドが横行していたので、
この運動はワインの品質向上に大きく貢献しました。
1945年からは息子のシャルルがワイン造りに参加し、1959年に交通事故で他界したアルマンの後を受け継ぎます。
シャルルはブルゴーニュのディジョン大学で醸造学を学んでいた経験を生かし、品質の向上に努めるとともに、畑の買い付けにも力を入れてG.Cの多くを手に入れました。
1982年からはシャルルの息子エリックが加わり、現在の当主となっています。
黄金期を築いたシャルル・ルソーも、
残念ながら2016年5月に93歳で他界しておるぞ(泣)
・ジュヴレ・シャンベルタン村の所有畑
①シャンベルタン(赤)
②シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ(赤)
③マジ・シャンベルタン(赤)
④ルショット・シャンベルタン(赤)
⑤シャルム・シャンベルタン(赤)
⑥クロ・サン・ジャック(赤)
⑦カズティエ(赤)
⑧ラヴォー・サンジャック(赤)
・ジュヴレ・シャンベルタン村以外
⑨クロド・ラ・ロッシュ(赤)
※赤字が特級畑 ※青字が1級畑
※村名以上の広域を除く
※④の所有区画が塀(クロ)で囲まれているため、クロ・デ・ルショットと名付けられている。
※⑨はモレ・サン・ドニ村のグランクリュ
G.シャン村のBest3である、シャンベルタン 、クロドベーズ、クロサンジャックを全て最大面積で所有しています!
エリックが当主についてからは、カリウム肥料を減らし、葡萄1つ1つの質を上げるために収量をコントロールしていますが、収穫後の醸造工程は先代の時からほとんど変えずに行っているそうです。
葡萄の枝の部分はほぼ取り除き、18〜20日かけてゆっくりと成分や色素を抽出して作られます。
その後は、一部のワイン以外は決まった比率で樽に納められます。
例えば、2代巨頭のシャンベルタン とクロドベーズは、樽からの成分を抽出しやすい新樽を100%の割合で使用され、18ヶ月の眠りに付いた後に瓶詰めが行われます。
P.Cのクロサンジャックのみ、
毎年使用される樽の比率が変わるそうじゃ!
ワイン輸入業者ラック・コーポレーションの正規価格でも、シャンベルタンG.Cは15万円以上と、人気と合わせ価格も絶賛鰻上り中です!泣
2人目は、幻の超希少シャンベルタンG.Cを産む生産者、ドメーヌ・ベルナール・デュガ・ピィです。
デュガ家の歴史は古く、17世紀初頭に設立され、ベルナールは12代目の当主です。
ピィ家の奥様ジョスリンと結婚し、ドメーヌ・ベルナール・デュガ=ピィが誕生しました。
同じ村でカルト的人気を誇る生産者クロード・デュガもデュガ家の血統で、ベルナールとは従姉妹にあたります。
現在、2017年からは息子のロイクが13代目当主となり、2015年のワインからはラベルも大幅に変更されています。
2014年までのラベル↓
・ジュヴレ・シャンベルタン村の所有畑
①シャンベルタン(赤)
②マジ・シャンベルタン(赤)
③マゾワイエール・シャンベルタン(赤)
④シャルム・シャンベルタン(赤)
⑤シャンポー(赤)
⑥ラヴォー・サンジャック(赤)
⑦プティ・シャペル(赤)
・シャンボール・ミュジニー村以外
⑨モルジョ(白)
※赤字が特級畑 ※青字が1級畑
※村名以上の広域を除く
※⑨はシャサーニュ・モンラッシェ村のP.C
特筆すべき点は2つ、シャンベルタン G.Cがレアすぎるワインである事、村名ワインからして葡萄樹の平均樹齢が非常に高い事が挙げられます。
デュガ・ピィの造るシャンベルタン G.Cは、年間生産量が200本にも満たず、日本への輸入量は多くても毎年1ケース(12本)だそうです。
そもそも葡萄は農作物。
当然のことながら、天候や災害によって毎年収穫量が変わってくるのですが、シャンベルタン G.Cで取れた葡萄の毎年の収穫量に応じて、使われる木樽のサイズをオーダーメイドしているこだわり様だそうです。
世界最高のワインと謳われるロマネコンティの生産量はおよそ5〜6千本。
これと比較しても、いかに幻のワインなのかが分かります。
また、所有している葡萄樹全ての平均樹齢は65年以上にもなるそうで、村名以下のラインナップにも特別な名前を与え、樹齢や区画ごとにリリースしています。
村名には、キュベ・クール・デュ・ロワやレ・ゼヴォセルと名付けられたワインがあり、村名ワインとは思えないほどの力強さと深い味わいが楽しめるぞ!
デュガ・ピィの畑の一部では土を耕すのに馬が使用され、植え替えの際の苗にも自分の畑からのもの以外は使わないという徹底的なこだわりで葡萄が造られ、2003年からは有機農法が導入されています。
収穫された葡萄のほとんどは、枝の部分も一緒にセメント製と木製のタンクでアルコール発酵が行われ、人為的介入を最小限に抑えています。
その後、P.C以上の畑のものには新樽を100%使用し、18〜24ヶ月の間熟成されて、力強い複雑味を持ったワインへと仕上げて行きます。
高価ですが、村名クラスからでも古樹ならではの優しく奥深い味わいを体験できますよ!
◎ジュヴレ・シャンベルタン 村の知っておくべき生産者
①ドメーヌ・アルマン・ルソー
②ドメーヌ・ベルナール・デュガ・ピィ
◎ジュヴレシャンベルタン村の特徴
・コートドールで一番面積が広い
・コートドールで一番G.Cの数が多い
・木樽との相性が良く力強いワインが造られる
さて、如何でしたでしょうか。
今回は、まず最初に知っておくべき生産者、ジュヴレ・シャンベルタン編ついてお話をさせて頂きました。
冒頭にも書きましたが、今回紹介した生産者以外にも、G.シャン村には素晴らしい生産者がたくさんいます。
しかし、数多くの生産者の名前を横並びに覚えようとしても、なかなか頭には入ってこないものです。
まずは、少しで良いので深く知る事が肝心だと私は思います。
最後になりますが、今回も記事を書くにあたり、参考にさせて頂いた書籍は以下の通りです^^
ありがとうございましたm(_ _)m
◎参考書籍
今日もどこかでサルーテ🍷
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